フジテレビの動画サービスのニュースについて考えてみた

フジテレビ、自社サイトから番組オンデマンド配信 - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/26/news084.html

こないだ目に止まった記事。
この前日にニコニコ動画著作権の問題について言及した動画があったのでちょっといろいろ考えてみた。

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なかなかに面白い内容だと思った。
内容については見てもらえればわかるので動画を参照してください。
いろいろ知らなかった部分があったので自分は参考になった部分が大きかった。
話の進め方というか、構成的にかなり自己正当化した部分(ニコニコ動画にこだわりすぎているところとか)はあるんだけど、問題提起としてはありだと思う。

この動画を見たあとで、冒頭のニュース記事を読んで思ったのが「このサービスはビジネスとして成り立つのだろうか」ということだった。
ちょっと過去のニュースを見てみると、この「フジテレビ On Demand」ってのは2005年からあるらしい。

3年近く存在しているってことは成り立っているのかも知れないんだけど、実情はどうなのかすごく興味がある。

イノベーションのジレンマに始まるクリステンセンのイノベーション理論を元に考えると、この事業は微妙だと思った。
このコンテンツ配信は既存のテレビ局の利益構造に基づいて製作された番組を有料で配信というのはどうなのか。

このネットの動画コンテンツ配信とテレビというのは相容れない利益構造を元に成り立つと思っているので、既存のコンテンツをネット配信するビジネスモデルは成長が期待できないのではないか、もしくは鈍化させるのではないかと思う。

こういう動画コンテンツ配信をビジネスとして成り立たせるには、そのために製作されたコンテンツを用意する必要があると思う。
言い換えると、「ネット配信で利益のでる構造で製作された専用のコンテンツ」が生み出せるかどうかが肝になる。

先のニコニコの問題提起動画では、ここが抜けていると思った。
動画内で既存のコンテンツの製作の仕組みを紹介しているが、それをニコニコで配信することを是としている部分が違うと思う。

既存のコンテンツではネット配信のビジネスを成長させることはできないと自分は思う。
著作権の問題等、障壁がいろいろ大きいからだ。
あの動画では主にアニメについて語られていたが、ニコニコの動画配信をビジネス化するなら、製作過程からネット配信専用とするべきではなかろうか。

既存の製作過程で生じる無駄なコスト部分を中抜きして、新たな流通経路やチャネルを構築していくことこそがネット配信の可能性だと思う。