OSC 2009 Tokyo/FallとOpenSolarisナイトセミナー
OSC2009 Tokyo/Fallとopensolaris のセミナーに参加したのでそれのメモ。理由あって1年以上放置してきたが、久々に更新。
OSC 2009 Tokyo/Fall
昨日10月30日(金)にOSC2009 Tokyo/Fallに参加してきた。
ZABBIXととsambaとFirefox&Thunderbirdセッションが目的だったんだけど、どれも参加して正解だった。
ZABBIX
現在システム監視でnagiosとmuninを使っているんだけど、データ収集と死活監視の両方をまとめてできそうなのでひとつにまとめられるとよいかなと。
実は一度テストで試したことはあるんだけど、入れて終わりだったっので、最新の日本語版がでるということなのでそれを試そうと思う。
samba
sambaのセッションも為になった。
現状ファイルサーバの運用をいくつか行っているんだけど、初期設定の部分でかなり勉強になった。
以下自分用にめもった部分の抜粋
- 同時使用ユーザが増えると必要メモリが増える
- deadtimeパラメータでアイドルセッションは切断可能
- windowsクライアントはアクセスが発生すると自動で接続を回復
- solaris10の場合
- 所属グループ制限
- 最大32グループまでしかユーザーは所属できない
- バージョンの選択
- 一つ前のstableバージョンの最新がオススメ
- 3.2か3.3
- 一つ前のstableバージョンの最新がオススメ
- ログレベル
- 0 or 1。3以上にすると性能劣化が激しい
- syslog
- 特別な要件がない限り0にする。基本的にsambaのログと同じ
- 共有フォルダの最上位にデフォルトACLを設定して下位にはACLを引き継ぐようにする
など。後日資料が公開されるようなので、再度チェックする必要がある。
今後自社内の共有はOpenSolarisのZFSでsambaを使うのが一番楽そう。ZFSだとスナップショットでサーバ内、別サーバの両方にバックアップをもてるから楽チン。
FirefoxとThunderbird
こちらは今後の展開とバージョンアップの予定、追加予定の機能についていろいろ説明があった。
個人的にはFirefoxももちろん期待しているんだけど、Thnderbirdが11月中旬にバージョン3がリリースされるというのが楽しみ。
タブでの閲覧など、インターフェースにいろいろ変更があるのと、最大の目玉は検索速度の向上。いままで検索の度にファイルを総なめしていたのを、sqliteによるインデックス管理で劇的に早くなるとのこと。楽しみ。
ちなみに、このセッションではアンケートに答えるとfairefoxのマークが出るペンライトをもらえた。ちょっと嬉しかった。
OpenSolaris Night Seminar
OpenSolaris Night Seminarに参加した。
18:00から21:00というものだったんだけど、これが一番楽しみだった。
現在社内で仮想化の案件を進めていて、iSCSIストレージをつかったものを検証しているんだけど、このiSCSIストレージを自作するためにopensolarisを現在利用している。
まあ、既に実際に業務で使用しているんだけど、今後の展開を考えていろいろ突っ込んだ話を聞きたいなと思っていたわけです。ただ今回のセミナーは入門的な話でメインのセッションではあまり突っ込んだ話はなかった。
セッションが3つにわかれていたので、以下簡単なまとめ。
「新入社員の OpenSolaris 奮闘記」〜 Crossbow への道 序章〜
資料:Solaris エバンジェリスト・ひよこ組 鮮烈デビュー!!
今年?入社の女性社員二人による、opensolarisのインストールから使用するまでの奮闘記。
お二人とも本当に初心者で、内容的には正直初歩の初歩的なものだったんだけど、切り口は面白い部分もあった。各種Unix、Linuxの比較を客観・主観に基づいていろいろ検証していて面白かった。
個人的にはお二人の心中やいかに?って感じだったわけですが・・・。いや、だってセミナー参加者は自分を含め初心者〜バリバリの上級者までいるわけですよ。その前で知識のない人がプレゼンをするわけですから、自分だったら怖くてできないです。
感想としては内容はともかく、プレゼンの時の話方が気になったかなー。もうちょっとはっきり、メリハリつけた話し方だとヨカッタと思います。
Solaris 10 10/09 最新情報
Solaris10の最新バージョンがリリースされたその追加部分のピックアップ。
いろいろあるので、知りたい方は公式リリースSolaris 10 10/09 リリースの新機能 (Solaris 10 10/09 の新機能) - Sun Microsystemsを。
個人的にはL2ARCがサポートされたというところが一番のポイントでした。まあSolaris10は使わないんですけど。
ZFSは読み出しのキャッシュとしてメインメモリの次に二次キャッシュのデバイスを指定することができるんだけど、これにSSDを指定することでI/Oパフォーマンスが改善される。SSDはランダムアクセスに強いので、NFSやCIFSの共有には効果的です。iSCSIストレージの時にも効果を発揮します。
また、ZIL(ZFS Intent Log)のデバイスとしてもSSDを用いることで、同期書き込みのパフォーマンスをあげることができます。
ただ、現状のopensolarisの最新版(2009.06)では一度プールに追加すると、このZILデバイスを取り外すことができなかったりします。なので、実験的に追加してしまうと切り離すことができず、強制的に外すとプールがDEGRADEDになります。開発版のビルドでは可能になっているらしいので、次のopensolarisのリリース時には対応されるとのこと。
ちなみに次のopensolarisのリリースは2010年の2月か3月になりそうとのことです。
その他
セミナー後、個人的にopensolarisをiSCSIストレージにして仮想マシンで使うということでいろいろ質問させていただきました。
現状やっていることというのが、
なんだけど、このストレージを今後強化していく上でいろいろ疑問な部分を質問しました。
- OpenSolarisの信頼性は?
- リリース時点ではある程度信頼性のあるものにしている。リリース前にはビルドで不必要な機能追加などはせず安定性を重視している。Sun Storage 7000シリーズも内部はopensolarisで動いている。
- 安定性を考えるとOpenSolarisよりSolaris10の方がいいでしょうか?
- iSCSIストレージならSunのStorageを買ってもらうのがオススメです。一つ言えるのは、Solaris10ではCOMSTARがないので、その点ではOpenSolarisがいいかも。
- L2ARCは多いほど効果がでるんでしょうか?
- 多ければいいというわけではない。L2ARCのインデックスはARC(メインメモリ)に保存されるので、メインメモリが少ないと逆効果になる。L2ARCを増やすなら、メインメモリも増やさないと意味がない。メインメモリが不足した状態でL2ARCだけ増やすと、パフォーマンスが落ちることもある。
というわけで、OpenSolarisのZFSの情報を及ばずながら出して行こうかなーと思い、ブログを再開しようと思ったわけです。
国内のブログだとopensolarisを業務で使用する情報やパフォーマンスの情報なんかがなかなかみつからないんですが、探し方が悪いのか。特に仮想環境のiSCSIストレージに使う情報というのがない。需要がないのか、そんな無茶なこと普通しないだろってことなのかどうなのか。
ちなみに、今動いてるxenserver+opensolaris iSCSIストレージ環境は
- xenserver
- corei7で自作したタワーマシン
- opensolaris iSCSIストレージ
- AthlonⅡx4 630の自作タワーマシン
で、1ヶ月ほど好調に動いています。気が向けば詳細を書くかもしれません。
[2009/12/18追記]
- セミナー資料のリンク追加